米国「アフォーダブル・オーディオ誌」
評論家:アンソニー・ニコシア氏
シングルコアーケーブルシリーズ・レビュー

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今回、私の手元にアコリバのシングルコアーケーブルシリーズが一式が届いた。まずはRCA-1.0PAとXLR-1.0PAIIから試聴することにした。まず手にとって驚いたのはケーブルが非常にフレキシブルでしなやかだということ。単芯の場合、非常に硬く取り回しが困難というイメージを持っていたが、逆にこのケーブルは一般的な撚り線構造を採用したケーブルより取り回しが良好である。アコリバのオリジナルであるRCAプラグとXLRコネクターはカチっと気持ちよく装着し安心感がある。さて、肝心の音は一体・・・

まずは普段愛用しているラインケーブルが繋がった状態でボーカルが入ったソースを試聴。そして私のモノラルのアンプにXLR-1.0PA IIを繋いでみた。私のアンプはバランス構成なのでXLRケーブルを使用したほうが優位。再生ボタンを押してすぐその変化に気がついた。ボーカルに力強さとパワーが増し、それでいてより透明感溢れる繊細なボーカルへと向上した。メインボーカルとハモリが重なった時は分離が良いにも関わらず、二つの声が非常によく馴染んで美しい。ドラムやベースはパワー感と厚みが増し、スピーカーから飛び出してくるように音離れが向上した。ライブ録音のソースに関しては自分がそのライブ会場にいるかと錯覚を起こすぐらい、空気感が豊かで観客の歓声も生々しい。全体的に左右方向にも音が広がり奥行きも増し音場が拡大し立体的になった。そういった変化が起きた為、一瞬自分がレビューの為の試聴を行っていることを忘れてしまったぐらいである。シングルコアーケーブルは従来のケーブルに感じていた窮屈さが全くなく、開放感のある音になると同時に楽器などが原寸大で浮かび上がるのだから凄い。

次に試聴したのはスピーカーケーブル(SPケーブル)のSPC-2.0PA。先程のラインケーブルと同様、このスピーカーケーブルも非常に取り回しが楽なケーブルだ。私の手元に届いたSPケーブルは私のアンプとスピーカーの仕様上、片側にバナナプラグ、反対側にYラグを装着してもらった。バナナプラグ、Yラグ共に美しい作りでトップクラスの製品と言えるだろう。アンプやスピーカーへの装着感も非常に良好である。SPケーブルを繋いだことによって、先程のドラムが更にエネルギー感溢れる音へと向上。ギターも立ち上がりや立下りが速くなりテンポが良くなった印象である。ボーカルも更に生々しさが増し、思わず昔クラブに通ってバンド演奏を聴いていたあの良き時代を思い出してしまった。SPケーブルも音場が開放的になり音が左右方向へ広がり、奥行きも増し先程より更に立体的な音になった。後ろに定位するコーラスや楽器もディティールが増し全体的に音場の見通しが向上。今までのケーブルにつき物だったギラギラ感や眩しさもなく、低域、中域、高域、どの帯域をとってもレスポンスが上がっている。

最後試聴にしたのは電源ケーブル、POWER REFERENCE(輸出専用モデル)である。ラインケーブルやSPケーブルと違い、こちらのケーブルは硬めである。ただ、ケーブルは簡単に曲がり形状を記憶してくれる為、沢山ケーブルが引き回されているようなシステムでも楽々と接続することが可能。この電源ケーブルもちょっとした変化ではなく、大きく音が変化した。それも良い方向へと。今回試したケーブルと同様、音場が更に広がり音が非常に滑らかになった。最低域への沈み込み方がよくなり厚みもあり、中域に密度が増しリッチな印象になった。楽器はディティールが増し正確に表現されるような印象。この電源ケーブルを使用すると長らく愛用している機材が別の機材へとアップグレードされたと思うぐらいの変化であった。

今回、ラインケーブルから電源ケーブル、シングルコアーケーブルの全てを試聴したが、このケーブルたちが私のシステムに及ぼした効果は絶大であった。ラインケーブルは音に透明感を与え音がスムーズに流れるような印象にし、SPケーブルはディティールが増し音場は大きく拡大。そして電源ケーブルは音を生々しくダイナミックにし、ラインやSPケーブルの良さを更に引き出して向上させるケーブルだと感じた。アコリバのケーブルを繋いだ後に友人を何人か自宅へ呼んだのだが、アコリバのケーブルが繋がれている私のシステムの音を聴いた友人たちの顔には微笑みが浮かんでいた。人に音楽的喜びを運んでくれるケーブルたちである。